晴耕雨読にあこがれて

お天気の日は小鳥求めてとぼとぼ歩き、雨や風の日は小鳥寄りなモノづくりの日々

渡り鳥の還りを待つ

7年前のゴールデンウィーク明け、私は大切な人とそれまでの自分と価値観の全てを失った。そして食べるのも寝るのもどうでも良くなり、毎日川沿いで空を見ていた。ツバメの季節だった。当時はそれを眺めながら特に心動かされることも無く。ただ眺めていた。秋になりツバメを見かけくなった。それでも何も思わなかった。

次の年。桜の開花予報が聞かれる頃、長旅から還ってきたツバメに再会した。「お帰りなさーい」と思わず空に向かって手を振りながら、渡り鳥はいいな、こうやって還ってきてくれるんだ⋯と思った。鳥に対する憧れと愛おしさと感謝に包まれた。

それから私はいつも鳥と再会するために生きている。鳥たちが自分の元に還って来てくれること、それを待つことで私は生きている。その事に今年気がついた。

鳥を好きな事は変わっていない。だけど以前は自分も飼っているインコなどコンパニオンバードを中心に作っていた。けど、あのツバメとの再会以来は野鳥、特に渡ってくる小鳥ばかり。

自分の中で矛盾がないため「なぜ私はこんなにも毎日野鳥を求めてるのか、そして作るのか」なんて考えたことがなかったけど、今年それについて考える機会があった。

そうか。私は「還ってこないものの穏やかな日々を祈りながら、還ってくる小鳥を待つ。そしてその出会いを作品にする」というグリーフワークをしているんだ。

 

衣替え

寒くなりました。さすがに衣替えの季節。私はアトリエと自宅茶の間の2部屋で生きています。その茶の間で寝起きもしてるので洋服は「10着ほどかけられるハンガーと2段の引き出し」がワンシーズンの全て。引き出しは下着やTシャツ類。その他は基本たたみません。なものだからアイテムとしては、スペースと「何着ようかな」と悩む時間節約のためにワンピース多し(笑)季節外れのものや冠婚葬祭用みたいな服は2回のもう少し長いポールでお休みしてます。

そして上の写真がこの夏に着まわしたもの全て。(色味の無さよ 笑)昨日今日、どれを手に取ってみても寒いんで、さすがに衣替えしなくちゃ。冬物はかさばるからこんなに容易くいかないけど。‪‪

衣替えというひと仕事を目の前にして「今年の春夏も結局ここにぶらさがっている服以外は1枚たりとも要らなかった」と変な充実感に満たされている朝です(笑)

ご縁

今日の新作。野鳥画家 木部一樹さんが描かれたスズメをプリントした生地を使用した仕切りポケット付きポーチです。

今日はちょっと長くなるけど⁡⁡、木部さんとの出会いと、この作品を作るに至った訳を書き残したいと思います。
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ある日、私の元に高校の時の英語のC先生から1枚のハガキが届きました。それが木部一樹さんの絵葉書でした。「康子さんが作っている羊毛の野鳥を見ました。私の教え子さんで野鳥の画家をしている方がいます。東京で個展を開くこともあるそうなので機会があったら行ってみてください」と書いてありました。⁡
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⁡ちなみに私の母も高校の教師をしていて、この英語の先生とはマブダチ😅‪‪でした。(当時はとても嫌なことでした 笑)⁡その関係でC先生が私の実家に遊びに来た時に私の作ったスズメやメジロを見たらしいのです。⁡
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⁡これが5年ほど前のことです。⁡
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⁡そしてここからは今年になってからの事。またまたある日何気にインスタを見ていたら、見覚えのある野鳥の絵が目に飛び込んできました。「あ、木部一樹さんの絵だ!」とすぐに分かりました。⁡
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次の瞬間、私は⬆のいきさつを書いたDMを送っていました。アカウント主は木部さんの妹さんである事。ご自分も手芸をされるので、お兄さんの絵をプリントした生地でいろいろ作ろうかと思い始めたばかりである事などなど、お電話までさせていただいてお話しました。⁡
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そして私の「生地を購入したい」⁡という図々しいお願いに対して「それは可能ですが、とりあえずお試しの生地を少し送ります」と言って下さり、届いたのがこちらのスズメの生地です。⁡
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⁡この先どういう流れになるのか今はわからないですが、今回は頂いた生地をめいっぱい使って大きさの違うポーチをふたつ、小さく残ったハギレも捨てられないので、ほかの生地とはぎ合わせてコースターにしました。⁡⁡⁡

ベンチにさようなら

開店した時からアトリエの前にずっと置いてあったブルーベンチ。時々お友達とここでおしゃべりしたり、バス待ちのおばあちゃまが腰かけていたり。だけど去年、さすがに劣化して危なくなってきたのでお庭に移していた。でももうこんなに。。。この夏の暑さと大雨で一気に崩れた。夫は「そのままにしておけばそのうち土に還るのでは?」って言うけど、私は徐々に朽ち果てていくという事が性に合わないし、それを毎日目にする事なんて耐えられない。近いうちにサヨナラしようと思う。